家族デーゲーム

親孝行の正体を探っていくブログです。

代償としての親孝行

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先日娘に傷物にされた。寝かしつけ中、暗闇の中でこちらに差し出された娘の指が目の玉に命中した。かなりの衝撃にたまらずうずくまった。翌朝目を覚ましてすぐ、痛さと涙でまともに目が開けられなかった。

 

「初めてなんです」。巷の童貞くんよろしく、そう言いながら眼科の門をくぐった。渡された問診票に答えた。人生の中であと何回手書きで氏名や住所を書くのだろう。そう思いながら、「書痙」という症状を抱えた俺は、震えるその手で一生懸命に自分の個人情報を記入した。

 

来院の理由には、子どもに目を突かれたためと書いた。しばらくして診察室に通された。初めましての医師は開口一番、御愁傷様でしたね~と言った。同じ経験をした者にしか掛けられない言葉だった。おお。ソウルメイトよ。あんたのことはよく知らないけどまた次も必ず来るよ。

 

診察は多岐に亘った。八つの方向に目の玉を向けたり強風を吹き掛けたり、ある液体を塗布後しばらく目をパチパチさせたりした。童貞にはとても刺激的なものばかりだった。途中ソウルメイトの顔がSっ気に染まっていくのが見えた。おおそうか。実は俺もだぜ。もしかするとSっていうのは、ソウルメイトの「S」なのかもしれないな。とにかくまた次も必ず来るよ。

 

目の玉の上方に少し傷が入っているとの説明を受けた。のち処方箋を出された。近くの薬局に行った。またまた一見さん用の書類が出てきた。人生の中であと何回手書きで氏名や住所を書くのだろうか。そう思いながら、「書痙」という症状を抱えた俺は震えるその手で一生懸命に自分の個人情報を記入した。

 

すべてを終え、大事に至らなかったことを嫁に報告した。今回の実行犯は穏やかな顔をしながら昼寝の真っ最中との事だった。犯人を憎んではいない。ただ、この代償はとてもとても大きい。とりあえず、一緒に風呂に入りいつも以上に全身をゴシゴシされるがよい。特別大サービスで泡々はいつもの2倍にしてやる。そして服を着せられる直前にイヤと言うほどの接吻を浴びるのだ。大人をナメるなよ。

 

日常に事故はつきもの。それをいかにして自分の肥やしにしていくかが大切だと思うわけです。傷物にされながらも脱童貞に成功した30代の男より。

 

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