家族デーゲーム

親孝行の正体を探っていくブログです。

女性として。母として

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出張先で知人の女性と食事をした。子どもが3人、孫が4人いるという50代の女性。2年前に知り合って以来、会うのは2度目。

絶対に会いたいんです。出張が決まってすぐにその女性へ連絡した。相手も絶対に会いたいという返事をくれた。やはり初対面のときの印象はとても重要。

 

彼女が切り出すテーマに対しこちらの意見を返すといったスタイルで宴は進んだ。約4時間。北風舞い散る漁港の地でその女性といろんな話をした。

 

宿命25%。環境25%。在りかた50%の中で我々は生きている。「宿命」は変えられないが「運命」は変えられる。だから「在りかた」と「環境」が大切なのだと彼女は言った。在りかたと言うと、何だかとても大きくぼんやりするかもしれない。でも簡単にいうと、こうはなりたくないと思う姿の反対。小さい在りかたが寄り集まって、最終的な「the 在りかた」に行き着くのだと思う。

 

我々の人生がどうなるかはもう決まっている。そう彼女は言った。世間で神と呼ばれるような「空の上の大きなナニか」はそれを知っていて、我々はその手中で右往左往しているだけ。たしかに、前からそれは感じていた。努力的なことをいろいろやっているけど、自分の人生がどう転ぶかはもう決まっているのだろうなあと。

 

どう転ぶかが分かっているのなら自分が楽しいと思う生き方をしよう。そう思い、自己啓発本やセミナーに寄りそう日々から身を引いた。正直いうと、あの世界はまったく楽しくなかった。きっと世間一般に見る「頑張っている奴」という姿を演じたかっただけなのだ。彼女との会話を通じ自分が脱皮した時々のことをアレコレ思い出していた。

 

50歳を超え自分の中の女を感じた瞬間があった、という話は鼻血が出るくらい楽しかった。彼女は50代半ばで離婚した。原因は旦那にあったらしいのだが、離婚届を出した直後、「自分はもう一人ぽっちなのだ」とかなり寂しい気持ちに襲われた。それから2ヶ月間、近くに誰かいてほしくて、いや、男性にそばにいてほしくて心がモヤモヤしていた。そのとき、今まで意識していなかった「自分の中の女」というものを強く感じたのだと言う。この気持ちは何?。私は男を、いや、男の体を欲しているの?。そう自問自答を繰り返す日々。

 

最終的に一番親しい男性へ、私を抱いてと言った瞬間そのモヤモヤしていたものは無くなったらしいが、あの気持ちは何だったかと今でも思うと彼女は言った。そして最後に、でも多くの女性もこれに似たナニかをきっと抱えているはずよ、と加えた。その後、男性と情事は起きず今でも良い友人関係が続いてるとのこと。

 

娘さんが子どもを産んでから、彼女は娘さんのことをより愛しく感じるようになったらしい。同じ母親という視点に立って会話ができる娘が愛しくてしようがないのだと言う。その光景が何となく浮かんだ。他人の人生にさほど興味のない自分だったけど、この話を聞いているときはとても嬉しい気持ちになった。

 

北風舞い散る漁港の地で彼女と俺が会って素敵な時間を過ごすことを、「空の上の大きなナニか」は知っていた。こうやって記事にすることも知っていた。いろんなことがどう転ぶかもう決まっているのなら、余計なことは考えず、生きたいように、やりたいようにやればいい。時の流れに身を任せよう。

 

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