働く母の姿
確定申告の準備はもうお済みだろうか。
確定申告と言っていつも思い出されるのは母の姿。会計事務所に20年は勤めていたと思う。確定申告前の会計事務所は半端じゃなく忙しい。確定申告前ぎりぎりにやって来て領収証だけ渡しあとはトンズラ。そんな経営者も珍しくない。
仕事を家に持ち帰って徹夜で仕上げる日々。そんな時期に母親から食事を作ってもらった記憶はほぼない。団地の上の階に住むおばちゃんの手作り弁当には大変お世話になった。 母親の職場の関係もあり、我々兄弟は家から離れた繁華街にある保育園へ通った。
年長の2年間は顔パスのカードを首からぶら下げ、一人でバス通園していた。18時のお迎えに母親が奇跡的に間に合うようなときは原チャリだった。ステップの所に俺が立ち、ノーヘルで当時流行りの2人乗りスタイルだった。警察に何だかんだ注意を受けたが最終的に無罪放免で開放された。とてもいい時代だった。
大人になって当時のことを何度も母親に謝られた。もう少し一緒にいてあげればよかった。母親らしいことを何一つしてやれなかったなどなど。しかし我々子どもの方はまったく気にしておらずむしろ、人生は放置プレイなり、とよろしくやっていた。仮にもっとベッタリしていたら今のような人間にはならず、往年の冬彦さんよろしく意味も不明に、あああああ~などと突然発狂するような大人になっていたろう。
親が子どもに謝りたい。子どもが親に謝りたい。それぞれに、ほとんどのことは自分だけの気苦労に過ぎない。相手にとっては取るに足らないこと。昔こんなことを言った、あんなことをやったといつまでも引きずる人間は面倒臭い。汗臭い、そして足も臭い。つまり何もいいことがない。
ではそれをどうすれば気持ちは晴れるのですか。あなたは今をちゃんと生きているのですか。 我々はただ、好きな時に好きな場所で好きな人と好きな話がしたいだけなのです。しっかり優先順位をつけて、楽しんで、歩いていきましょう。