家族デーゲーム

親孝行の正体を探っていくブログです。

引き継がないという親孝行

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どんな親の下に生まれたかである程度人生が決まってしまう気がする。子どもの可能性を広げるのは親で、可能性を潰すのも親。味方ときどき敵。概ねそんなとこだろう。

 

我が家の話をする。子どもに対しては、人としてこれは違うんじゃないか?ということ以外は極力自分の考えは引き継ぎたくないと思っている。なぜなら、子どもたちが生きていく次の時代において、その考え方が古すぎて適応できないかもしれないから。「親の教えを忠実に守っていたら食いっぱぐれました」。愛する我が子が将来そんなことを口ずさんでいたとしたら、成仏したくてもしきれない。

 

ヨソの話をする。以前電車の中で女子大生たちと隣合わせになった。その中の一人の言葉遣いがとにかく汚く、どんな奴だろうかとつい二度見・三度見してしまった事がある。しかし彼女自身は決して悪くない。血筋というのは突然変異しない。よって十中八九、親の影響と思われた。下品に話し続ける彼女の奥に母親の像を思い浮かべた。きっとこんな感じだろう。

 

傷んだ茶髪で髪型はソバージュ。タバコをプカプカふかし休日はパチンコ通い。車高を低くした旧型のヤン車に乗り、フロント部分には白い綿菓子のような毛糸を大量に垂らす。停車中には大して意味のないアイドリングを連発し、最終的にタバコを道へポイ捨てする。

 

その母親もきっと、その母親もしくは父親の影響によってそのような言動をするに至ったのだろうが、それを愛する我が子、ここでいう女子大生に引き継いでいるという意識はまったくしていない。残念ながら、その女子大生はこの家庭に生まれた時点でほぼ今の姿かたちになることが約束されていたようなもの。

 

モノゴコロついた人間がもし人生を変えたいと願うなら、家族と離縁するか記憶喪失になるしか道はないのかもしれないと真剣に思ったりする。子どもの可能性を広げるのは親で、可能性を潰すのも親。味方ときどき敵。哀しいけれど、いろんな人を見てきて感じている率直な意見である。

 

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