家族デーゲーム

親孝行の正体を探っていくブログです。

時間は未来から過去へ流れている

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2歳ちょっとの子ども。発する言葉が以前よりハッキリしてきた。こちらの言うことも大体分かってきてる様子で、少しずつ会話に向かいつつある。実験的にあえて難しい質問をしてみると、よそを向きながら「あー」とだけ返事をするから、ホンマかいな!とツッコミを入れて楽しんだりしている。

 

「お子さんはいくつになられましたかね」。最近久々に会う相手からそう訊かれることが増えた。2歳ちょっとです。そう答えると、一番かわいい時期でしょうと相手は返す。記憶は曖昧ながらも、我が子が2歳だった頃を思い返しそう言っているのだろうか。たしかに、外見含め言葉のやり取りが曖昧なこの時期が愛しくてたまらないのピークなのかもしれないなと想像することはよくある。

 

さて、子どものやれることが増えていき、成長が嬉しい反面、寂しい思いもしている。我々親のしてあげられることがまた一つ減ったのかという確認作業の日々。最近では何か手伝おうとするとその差し出した手を払われてしまう。たかだか2年前は天井しか向けなかった小動物だったではないか。ただ、一人でやろうとする様子をしばらく観察した結果、できなかったときに大声で泣きだす姿はまた愛しいものがある。

 

いつからか、眠る前に愛撫を求めるようになった。自分から服をめくりあげ、とろ~んとした目をこちらに寄越す。どうやら乳首と背中が性感帯らしく、指先でやさしく撫でてあげると体を左右にねじりながらとても艶っぽい表情を見せる。「俺もまだまだイケる」。娘のおかげで、ブイブイ言わせていた20代の頃の自信を取り戻しつつある。

 

最近こちらの精神がメタルの傾向にあるため、その影響で子どもが親指と人差し指と小指の3本を立てながら舌を出すようになった。よし、いい調子だ。将来お前が属するのは、秋元ファミリーでもつんくファミリーでもEXILEファミリーでもなく、ベビーメタルファミリーなのだ。親孝行的に、いつかワールドツアーにパパも連れてって。

 

「この子は実はあなたの子じゃないの」。仮に今そう言われたしても、そんなことはどうでもいいと思っている。この2年ちょっと。妊娠したときまで遡れば約3年。この子と一緒に歩んできた。子どもが生まれる前と生まれた後。自分の中でずいぶんと考えが変わったが、血の繋がりに対しての意識が低くなったことも大きく挙げられる。「一緒にいた」という事実が一番大切なわけで、血縁というものに縛られて変な方向に行ってしまうのはとても勿体ないこと。

 

嫁とたまに話す。「自分たちはこの子と出会うために生まれてきたのかもしれない」。時間は過去から未来に流れているのではなく、未来から過去へ流れている。我が子の世代を生むために自分たちは生まれた。その自分たち世代を生むために親世代は生まれた。そう考えるのは特別おかしなことではない。とにかく、これから我々親のしてあげられることがまた一つずつ減っていく日々は続くのである。

 

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