家族デーゲーム

親孝行の正体を探っていくブログです。

特別な関係は特別なままで

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いつの時代もラクガキというのは微笑ましいものである。そこいらの公園に配置された遊具という名のオブジェには、多感な少年たちが書きそうないやらしい単語や相合傘がところ狭しと並べられている。

これを書いたのち、それぞれにどんな人生を歩んだのだろうかと、余計な世話を焼いてみた。

 

相合傘というものには大抵、男女の下の名前が書かれているものだが、先日見た相合傘は、片方に「ゆみちゃん」、もう片方には「オレ」とあった。どこぞの少年よ。オレとだけ書かれても、第三者はキミであることまで辿り着けないぜ。つまり、応援したくてもできないということだ。もう少し考えたまえ。

 

それとこれも余計なお世話だが、自分目線しか持てない人間になってしまうと、あるとき誰かを大きく傷つけてしまうことがあるから、そのあたりは十分気をつけることだ。多感ということは、一つ何かを感じるたび、また次の感情を揺さぶる何かに出会いやすいということでもある。キミにとっては一瞬で過ぎたことでも、意外と相手は覚えていたりするもの。

 

子どもの頃、好きな女の子はたくさんいた。でも相合傘を書いたことはない。その相手と自分の間にある特別な世界観をまわりに教えたくない、安易に共有したくないという思いからだった。記憶を辿るかぎり、自分は現代でいうところのストーカー気質であろう。ただ、危害は加えず、相手にこちらの行動を知られた時点で身を引く。特別な関係は特別なままで。きっとそういうことに違いない。

 

小学6年のとき、授業中に「小さな恋のメロディ」を観た。多感な少年たちは、主人公の二人に大好きな誰かと自分を重ね合わせただろうか。中学3年のとき、授業中に「卒業」を観た。より多感な少年たちは、主人公の二人に数年後の自分が選ぶ誰かと自分を重ね合わせただろうか。そして大人になった今。どこぞの少年たちがオブジェに書き記した告白傘に、昔の自分の恋バナを重ね合わせたりしているだろうか。

 

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