たらい回しという親不幸
先日たらい回しにされた。たらい回しをwikipediaで調べた。「面倒な案件を部署間で押しつけ合う責任逃れ」とあった。そうか。俺という人間は面倒な案件なのか。
お父さん、お母さん。面倒な案件と呼ばれるような人間に育ってしまいごめんなさい。親孝行どころか、とんでもない親不幸をした息子をどうかお許しください。
それらは、自宅のインターネット環境をADSL回線から光回線に切り替えた際に起きた。設置に来た業者が明確な理由を記載せず工事を中断して帰ったのがそもそもの始まりだった。ADSL回線は数日後に解約になる。それまでに光回線を開通させなければ仕事諸々が滞る。それはとても困る。
工事を完了してもらうためにこれから自分は何をすればよいか。光回線業者のコールセンターにそう相談した。1つ目の窓口にコトの経緯を聞かれた。すべて話した。担当外ということで工事日程を調整する2つ目の窓口に引き継がれた。2つ目の窓口にコトの経緯を聞かれた。すべて話した。前回豪奢が訪問した日付が契約開始日となっていて一旦処理が終わっているため、新規として再度申し込んでほしい旨言われた。
3つ目の窓口へと引き継がれた。ここでもコトの経緯を聞かれた。その時点でなぜだか、こちらがすでに契約が始まっていることにご立腹で返金を望んでる客というキャラ設定になっていた。俺は金の話など一切していない。ただ、インターネット回線を繋いでほしいと言っただけなのに。ここは料金に関することを取り扱う窓口のため回線を繋ぎますという約束はできない。そう言われた。はい、あなたにそれは求めていません。お願いですから、そろそろ正しい相手を電話口に出してください。
4つ目の窓口に引き継がれた。設置予定機器の型番とか、最初の窓口に伝えたのと同じことをまた伝えた。ちなみにこのフリーダイヤルには以前にも2～3度電話していた。工事業者が帰ったその日や別の日に、設置予定機器のランプがどういう点灯状況にあるか伝えるために。その都度、機器の型番やその他諸々を伝えてきた。過去のヒアリング履歴は残っていないのですか。
4つ目の窓口はなぜかしら担当外ということで5つ目の窓口に引き継がれた。おいおい。もう1時間くらいこんな問答をやっている。俺はクレームをつけたいわけじゃない。ただインターネット回線を繋いでほしいと、世界で最も下心のない素朴な願いを言っているだけ。もう少し言わせてもらえれば、新しい窓口に引き継がれるたび、「あなたはどういう立場の方ですか」とまず確認し、範囲外のことは依頼しないようとこちらなりに気を遣ってきたつもりですよ。
5つ目の窓口にコトの経緯を聞かれた。すべて話した。再工事まで数日掛かるかもしれないと言われた。それは待てない。そして申し訳ないが、コトの最初から考えるとこういうやり取りをもう5～6時間はやっている。そろそろ勘弁してください。調整しますとだけ言い、5つ目の窓口は電話を切った。
二日後、工事業者がやってきた。事前に日程調整の連絡はなかった。でも、もうどうでも良かった。俺はただインターネット回線を繋いで欲しかっただけなのだから。長い長いたらい回しはようやく終わった。改めて、たらい回しをwikipediaで調べた。「面倒な案件を部署間で押しつけ合う責任逃れ」と出た。そうか。俺という人間はやっぱり面倒な案件なのか。やかましいわ！
