家族デーゲーム

親孝行の正体を探っていくブログです。

卒業アルバムを開くタイミング

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卒業アルバムを開くとしたらそれはどういう時か。付き合い立ての彼氏彼女に昔の容姿を迫られた時。久々に開かれる同窓会の前の日の晩。急に逝ってしまった同級生を思う時。それとも。。

 

きっと多くの人は人生の岐路に立った時に開くはずで、それを必要としない人はある意味精神が強く現実をちゃんと生きている。人生の岐路ではないが、今日卒業アルバムを開いた。厳密には開かれていた。開き主は子どもだった。ご丁寧に父親の映っているページを開き、どうぞ~と手を差し伸べ案内してくれた。なんと親孝行な子か。

 

しかし別の見方をすれば、こちらの顔が人生に迷っているように見えたのかもしれない。たしかに、色々考えてはいるけれど迷っているわけではない。「好きな時に好きな人と好きな場所で好きな話をしたい」。そういう理想の生き方をするためにすべきことは何か。そう考えているだけ。でも、お気遣いどうもありがとう。

 

さっきまで楽しそうに笑っていた人が、別れ際の一瞬、切ない表情をする場面に何度か立ちあった。あれが何なのかよく分からなかった。「おいおい、お近付きになれたと思っていたのはこっちだけかい」。そんな風に思ったこともあった。でもそれは違っていた。きっと、楽しい時間が終わりまた現実という楽しいことばかりじゃない時間に戻るのがふと寂しくなり、ああいう表情を見せたんだ。

 

今年は本当によい1年だった。良いことがたくさんあった、という意味ではない。喜びきる、怒りきる、哀しきる、楽しきる。それらを筆頭に、自分は何かをやりきった経験が異様に少ないという事実を確認できた。来年はもっと良い1年になる。とか言いながら、どこかのタイミングで自ら卒業アルバムを開いていたら笑い草だが、たぶんそれはない。我々が生きられるのはいつのときも現在と未来だけ。

 

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