ネーミング of the year
合コンと称される飲み会には参加者の数だけ思惑がある。特定の相手を見つけること以外にも、何か貴重な情報を持ち帰り得るという意味でとても重要な場だと考える。たくさんの合コンから得た一番の収穫。それはネーミングの大切さではなかろうか。
一時期あまりに回数を重ね、そしてそのほとんどが幹事だったため、電話帳は女性の連絡先で溢れていた。名前を見ただけでは一人一人をとても思い出せない。特に下の名前が3文字以上の女性が増えると、記憶の定着率が確実に落ちる。そういった状況を何とかしようと考えた結果、特徴を掴んだネーミングで携帯電話に登録しておくことにした。一例を挙げる。
1：ほくろ、八重歯、巨乳
2：メガネ、ピアス、セクシー
3：Vネック、ミニスカ、ブーツ
３つに分けたのには理由がある。まずネーミングとして適切なのは1である。2に関してはその日限定かもしれず、3においてはその日限定でしかない。よって、ネーミングとしては不適切。がしかし、本当にピークのとき、Vネック４という名前の女性が電話帳に存在した。そうしないと追いつかなかった。これはリア充自慢だろうか。いや、まったく違うと思う。
ネーミングの秘訣は、動かぬ存在に頼ることだ。ここでいうと１のグループがそれにあたる。軸とか定点と北極星とか、そういうニュアンスのものとも言える。両親のいない実家があり得ないように。先生のいない学校があり得ないように。もし彼らがそこから動いてしまったら実家や学校という存在そのものがブレてしまう。噂によるとタクシーの運転手は、「交差点名」を軸に見立てて道を覚えているらしい。
Vネック４の女性は今、幸せに暮らしているだろうか。年齢を重ね、鎖骨を見せることに抵抗を覚えVネックは卒業してしまっただろうか。当時の彼女の携帯電話に俺のことが「ゴリラ」とか「極太眉毛」とか入っていたらオモロイな。でもそうなればお互い様ってことで笑いのネタになる。とにかく、ネーミングはとても大切なのであ～る。
