二つの人生は生きれない
むかし、「if~もしも」というドラマがあった。自分と同年代以上であればきっと記憶に残っているはず。
内容としては、あのときAを選んだけどもしBの方を選んでいたら今とは違った人生だったでしょう、とごくあたりまえのことを言っている。
そのAとBふたつの人生を交互に描きながら果たしてどちらの人生の方が良かったのかと視聴者に問い掛ける。当時何も考えずに見ていたが、あらためて今思うのは、結局我々は死ぬまでずっとif中なんだということ。
例えば、今まで何か決断したとき、最終的に出した結論以外にもたくさんのifがあったはずで、でもその中から時間切れか何かでたまたまそのifにすることを選んだ。その結果が今に至った。きっとそういうこと。
この記事を書きながら、一体どんなオチに向かうのかまったく分かっていない。でも結局、数分後の自分が決めた納得のいく終わり方でそれを記事のオチとするに違いない。たくさんあったifの中からとりあえずそのifを選んだ、選ぶしかなかった。ただそれだけの話。
あそこでアレを選んでいれば人生は変わっていた。うまくいっていない時であれば尚更、そう思うのは仕方ない。でも仮にそのアレを選んでいたとしてもその先でまた違うアレが出てきて、いろいろ選択した結果、今と同じ地点に辿り着いたろうと思う。つまり、「if~もしも」と望んだところで今の人生以外の人生はあり得ないのである。