家族デーゲーム

親孝行の正体を探っていくブログです。

布団の中の親孝行

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早朝の静かな時間にパソコンの前で言葉を繋いでいく。貴重な時間。
外は真っ暗。学生時代の新聞配達を思い出す。

 

温かい布団の中で隣に眠る子どもの手を握り、頭皮を嗅ぎ、唇を何度も付けた。離れがたい気持ちとなんとか決別し、寒々しいこの和室へやってきた。最後に子どもに伝えた言葉は、これからおまえのことを記そうとしているのだからこの別れは決して寂しいものではないよ、であった。

 

最近段々と会話になってきた。質問攻めしたくてたまらない。一緒に湯船につかりながら、「今日がんばった?」と聞くのが定番。独特のイントネーションで「ばんばった~」と返すところが何ともたまらない。そうして俺の心の中では往年の松任谷由実よろしく、守ってあげたい~という気持ちがさらに燃え上がっていく。この7割くらいしか成立しないお前との会話を楽しみたくて俺は生きているようなものだ。大袈裟にそんなことを思ったりする。

 

子どもはかわいいと多くの大人は口を揃えて言うけれど、それがどうかわいくてどうたまらないのか、自分の言葉でしっかり表現すべきだ。これからの時代の必須スキルでもある。我々には伝える手段として言葉がある。それはとてもラッキーなことなのだ。

 

今日は筆の進みがとても遅いな。睡眠時間が足りなかったか。自分を良く見せようと装飾の言葉を探しているか。やはり子どもの元に戻りたいか。それとも他のナニか。

 

父さん最近思い通りに体が動かないことが多いよ。特に会話しているとき。類似した言葉たちが瞬時にいくつか浮かんで、そのどれかを言おうとして結果噛んでしまう。ああ、今めっちゃ面白いこと言おうとしたのに、実際にはその面白いやつと別の言葉の方が出ちゃったし、間(ま)もイマイチだったし、とか昔のイケてた自分から段々遠のいてる気がして何だか寂しくなっちゃうんだ。

 

えっ。そんな弱々しいパパの一面は知りたくないって?。まあそう言わずに聞いておくれよ。どうせ数年もすれば、パパの下着と一緒に洗わないで!とか言うて距離を置いていくことになるのだから。親が子どもに弱みを見せないって言うのは心構えとして分かるけど、俺には不必要な考えだね。根性論嫌いなんで。

 

人生の最後に発する言葉は、なんだかんだで「ありがとう」なんだと最近思うんだ。ありがとうは現代でいうところの「ヤバい」と一緒でいろんな意味を包括した言葉なんだよね。それゆえに普遍。あと何年生きられるか分からないけど、素直にありがとうと言えるような人間に父さんもなりたいよ。

 

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